「 シーパワー 」と「ランドパワー」とは?【地政学語録】

シーパワー

地政学の基本的な概念の中で最も重要と言われているのが「 シーパワー 」と「ランドパワー」です。

それぞれの言葉の意味と考え方を一緒に見ていきましょう。

目次

「 シーパワー 」と「ランドパワー」の違いとは?

シーパワー

シーパワーとは、「国境の多くが海に囲まれた海洋国家」

ランドパワーとは、「ユーラシア大陸に位置している大陸国家」

上記の図をご覧ください。青丸に位置するのが主な「シーパワー国家」で、赤丸に位置するのが主な「ランドパワー」になります。

シーパワー国家の主な国としては、我らが日本やアメリカ・イギリス。

ランドパワー国家の主な国としては、ロシアや中国・ドイツ・フランス。

シーパワー はメリットが多い?

シーパワー

シーパワー国家には、多くのメリットがあります。

🔵シーパワーのメリット

①海を使った貿易ルート

実は、貿易を行う際は、陸路を使うよりも海を使った方が安全でコストがかからないです。

世界的に見て陸路は整っていないところが多く期日通りに安全に運ぶのが難しいです。

また、陸路で貿易すると多くの国を通過しなくてはならない為、税金などの貿易コストが高くなってしまいます。

一方で、海を使った貿易ルートでは、海の影響はあるものの比較的安全に早く運ぶことができ、港を経由して貿易を行う為、コストも抑えることができます。

②軍事的に優位

多くの海に囲まれている為、他国から攻められにくいのも大きな恩恵。

海という「天然の防衛壁」が存在するので、他国は海を超えて大軍を率いるのはとてもコストがかかります。

日本はこの恩恵を生かし、歴史的に戦いで敵の撃退に成功しています。

③豊富な資源

海底には豊富な資源が多く眠っていると言われており、シーパワー国家は天然資源の開発・探査などで主導権を握り安です。

また、資源の確保が出来るということは「自給自足で国を運営できる」「貿易の幅が広がる」といったメリットがあります。

以上のメリットがシーパワー国家には存在し、実際に世界を引っ張っている国はシーパワー国家が多いです。

ランドパワーから シーパワー になった国が多い?

power

歴史を辿ってみると「ランドパワーからシーパワーになった国が多い」ことが分かります。

シーパワー国家になるには、2つの条件があります。

  1. 国力を上げる
  2. 海を領土にする

アメリカは、少しずつ国を大きくして攻められる可能性がある周辺国がないほど強くなり、周辺の海から海洋進出してシーパワー国家になりました。

日本の歴史もランドパワー時期を経て、シーパワーになっています。

このように、現在のシーパワー国家は「ランドパワーを得てからシーパワーを得てシーパワー国家になった国」が多いです

実際に、現在最強のランドパワー国家の中国も海を得るために海洋進出を狙う計画をしていて、ロシアも凍らない海を求めて南下政策を打ち出し、シーパワーを得ようとしています。

このように、現在のランドパワー国家がシーパワーを求めている事からも、「ランドパワーからシーパワーと力をつけていく国が多い」と考えられます。

シーパワー国家の方がモテる?

シーパワー

性格的には、シーパワー国家の方がモテそうです。

ランドパワー国家は、自国の統治や隣接国の対応などでどうしても「視野が狭くなりがち」です。

そうすると意識が自分に向く為、防衛しなきゃという考えからプライド高く見えますよね。

一方で、シーパワー国家には「余裕」があります。

シーパワーはメリットも多く自国の統治も安定していて、視野を自国だけでなく世界に向けられます。

つまり、自分に自信があるので外に出てコミュニケーションを取りに行きます。

これは当然、出会いが多くなるでしょう。

その為、性格的にはシーパワーの方がモテそうですね。

皆さんはどう思いますか?

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まとめ

  • シーパワーとは、「国境の多くが海に囲まれた海洋国家」
  • ランドパワーとは、「ユーラシア大陸に位置している大陸国家」
  • シーパワーのメリットは多い
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