今回紹介するのは、都市計画家 饗庭伸による名著『 都市をたたむ 』
ー都市は成長するものーそんな常識が、いつから当たり前になったのだろう
空き家、人口減少、郊外の過疎化
私たちの暮らす街は今、確実に”撤退”のフェーズに入っている
本書「都市をたたむ」では、成長の終わりにどう向き合うか、そして都市の終わり方をどのようにデザインするかを問う一冊
空間と人の関係を見つめ直すことで、都市という存在のこれからが見えてくる
目次
書籍情報
著名:都市をたたむ
著者:饗庭 伸
出版社:花伝社
出版年:2015年
価格:こちらから参照(変動あり)(Kindle版あり)
『 都市をたたむ 』を読んだ感想と得られた視点
本書のキーワードは、都市を”育てる”のではなく”たたむ”という逆転の発想
従来の都市施策が「拡大・成長」に依存してきたなか、著者はその前提を疑い、計画的に縮めていくこと」を提案しています
「都市計画は、都市の終わり方を考える計画だであるべきだ」という言葉は非常に印象的でした
【まちの”余白”と再定義の視点】
空き家・空き地・廃校——それらはネガティブな”余白ではなく、再構築のチャンスとなる余白だという視点も重要です
これは、前回の【知の書架#1】や「空き家記事」で語った内容とも強くリンクします
また、著者は一貫して”生活者の目線”で都市を見る姿勢を貫いており、都市論なのにどこか親しみやすく、優しい視点で読むことができました
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まとめ:”たたむ都市”に、あなたは何を見るか?
この本を読むことで、都市をただのインフラや機能の集合体だけでなく、「時間とキヲクの積み重ね」であることに気づかされます
あなたが暮らすまちは、これからどう”たたまれていく”のでしょうか
そしてその中で、どんな空間が、どんな関係が、残っていくべきなのか?
そんな視点で、自分のまちを歩きたくなる一冊でした
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